
好川寛(監修)
「プロゴ税理士事務所代表。20年以上のキャリアをもつ国税OB税理士。税務調査や複雑な税務判断に精通し、幅広い税務相談に対応。クライアントの事業を深く理解し、長期的な視点で最適な税務戦略を支援しています。」
はじめに
2024年1月1日以降、電子帳簿保存法(電帳法)の改正により、電子取引データの保存が義務化されました。この法改正は、企業に新たな義務を課すだけでなく、企業のデジタル化を推進する絶好のチャンスをもたらしています。
デジタル化が進む現代社会において、企業の業務プロセスもペーパーレス化が求められています。しかし、単に紙の書類を電子化するだけでは十分ではありません。電子データの信頼性や改ざん防止が重要な課題となります。これらの課題に対応するため重要となるのが「タイムスタンプ」です。タイムスタンプは、電子データがいつ作成・変更されたかを証明し、データの信頼性を確保する役割を果たします。
本記事では、電帳法の概要を解説するとともに、この法改正への対応におけるタイムスタンプの重要性と、その導入がもたらすメリットを詳しく解説します。さらに、タイムスタンプ導入を容易にするソリューションについて紹介し、企業がこの法改正をどのように活用できるかを探ります。
電帳法の概要と改正の背景
電帳法の改正は、企業のデジタル化と生産性向上、さらには記帳水準の向上を目的としています。この改正により、2024年1月から電子データでの保存がより容易になり、一部の書類については電子保存が義務化されました。
改正の主な内容は、電子帳簿等保存の要件緩和と優良な電子帳簿の新設、スキャナ保存制度の要件緩和、そして電子取引データの保存の義務化です。この法改正は、国税関係書類の保存義務がある全ての事業者に適用されるため、業種や規模を問わずほぼ全ての企業が対象となります。
この改正により、企業は書類の電子データ化が容易になり、保管スペースの削減やペーパーレス化を進めやすくなります。また、電子データの活用により、検索や集計が容易になり、業務効率の向上も期待できます。さらに、紙の購入費、印刷費、保管費などのコスト削減にもつながります。
一方で、電子取引データ保存時のセキュリティ対策や、電子取引データの改ざん防止対策が不可欠となります。ここで重要となるのが、タイムスタンプの活用です。タイムスタンプは、電子データの作成・変更時刻を証明し、改ざんを防止する役割を果たします。
<電帳法の概要>
電帳法における3つの保存方法とタイムスタンプの役割
電子帳簿保存法は、税務関係書類の保存方法について、3つの制度に区分しています。各方法におけるタイムスタンプの役割を見ていきましょう。
- 電子帳簿等保存:会計ソフトで作成した帳簿や決算書などを、電子データのまま保存する方法です。この方法では、タイムスタンプの付与は直接的な要件ではありませんが、間接的に、国税関係帳簿や決算関係書類の信頼性を高めます。
- スキャナ保存:紙の請求書や領収書などを、スキャンして電子データとして保存する方法です。ここでは、真実性を確保するために、スキャン後速やかにタイムスタンプを付与する必要があります。
- 電子取引データ保存:メールやオンラインシステムでやり取りした電子データをそのまま保存する方法です。この方法では、データ授受の前後にタイムスタンプを付与するか、または、システムや事務処理規定による改ざん防止措置を講じる必要があります。
これらの保存方法において、タイムスタンプが重要な役割を果たすことが分かります。では、タイムスタンプの具体的なメリットを見ていきましょう。
<赤枠部分がタイムスタンプ付与の対象>
タイムスタンプは電帳法対応のキーアイテム!
タイムスタンプの導入は、以下のようなメリットをもたらします。
- 法令遵守によるリスク軽減:適切にタイムスタンプを付与することで、税務調査時にデータの信頼性を示すことができます。
- ペーパーレス化の促進:電子データの信頼性が確保されることで、紙の保管が不要になり、保管スペースやコストの削減につながります。
- 既存システムとの親和性:タイムスタンプにより、データの信頼性を担保できるため、データの訂正・削除の履歴保持等に対応したクラウドサーバーや会計ソフトの導入は必要ありません。
- 内部統制の強化:既存の業務フローに、あえてタイムスタンプを付すということも、内部統制強化の一環として有効です。
電子化をスムーズに進めるためのポイント!
電子帳簿保存法への対応、特にタイムスタンプの導入を進める上で、以下のポイントに注意しましょう。
- 早期対応の重要性:段階的な導入や従業員教育の時間を確保するため、早めの対応が重要です。
- 適切なシステム選択:タイムスタンプを効率的に付与・管理できるシステムを選択することが重要です。
- 運用ルールの整備:タイムスタンプ付与の手順や責任者を明確にし、適切な運用ルールを整備しましょう。
- データのバックアップ体制:タイムスタンプ付きの電子データを安全に保管するためのバックアップ体制を整えましょう。
- 段階的な導入計画:優先度の高い部署や文書から段階的に導入することで、リスクを最小限に抑えつつ、スムーズな移行を実現しましょう。
- 長期的視点での取り組み:タイムスタンプ導入を、単なる法令遵守ではなく、業務プロセスの見直しやデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の機会と捉えましょう。
タイムスタンプ導入を容易にする「stiiタイムスタンプ電帳法マネージャー」
タイムスタンプの重要性は理解できても、その導入には技術的な課題があるかもしれません。例えば、専門知識の必要性や既存システムとの統合の難しさなどです。こうした課題に対応するソリューションとして、「stiiタイムスタンプ電帳法マネージャー」があります。
このソフトウェアには、以下のような特徴があります。
- 電子帳簿保存法に完全準拠:法令要件を満たすタイムスタンプを確実に付与できます。
- 直感的なインターフェース:専門知識がなくても簡単に操作できます。
- 多様なファイル形式に対応:様々な電子ファイルにタイムスタンプを付与できます。
- 一括処理機能:大量のファイルに効率的にタイムスタンプを付与できます。
- 一括検証機能:タイムスタンプの有効性やファイルの改ざんの有無を簡単に確認することができます。
- 自社PCやサーバーを利用可能:従来通り電子データを自社PCやサーバーに保存してもインボイス制度・電帳法に対応することができます。
- 経理業務変更不要:クラウドやシステムなどに依存しないため。既存の経理業務を変更する必要がありません。
「stiiタイムスタンプ電帳法マネージャー」の導入により、電子帳簿保存法への対応を効率的に進めることができ、同時に企業のデジタル化を促進することができます。
電帳法対応は、企業の進化を促すチャンス!
電帳法への対応、特にタイムスタンプの導入は、単なる法令遵守だけではありません。企業のデジタル化を加速させ、より効率的で競争力のある組織へ進化する機会となります。
タイムスタンプの導入により、データの信頼性向上、文書管理の効率化、経理業務の生産性向上が実現します。さらに、これをきっかけに企業全体のデジタル化を推進することで、長期的な競争力強化につながります。
「stiiタイムスタンプ付与マネージャー」を活用することで、これらのメリットを効率的に享受し、より強固な経営基盤を構築することができます。電帳法対応を、企業の長期的な成長と競争力強化の機会として捉え、積極的に取り組んでいくことが重要です。この法改正を、企業の進化を促す機会として活用しましょう。






