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企業が押さえるべき商標戦略と商標権紛争の予防策

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弁理士 角谷健郎

すみや商標知財事務所 代表

業界では珍しく、「商標」を専門に取り扱い、「初心者向け」に特化した弁理士事務所です。 願書(申請書)の作成など、商標登録の取得のお手伝いが、メイン業務の1つです。 また、初心者向けに商標登録に関する情報を発信するプログを運営しています。
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【企業が押さえるべき商標戦略と商標権紛争の予防策】

ー企業が押さえるべき商標戦略と商標権紛争の予防策

特許の権利化と秘匿化に似ていますが、商標も取るか取らないかという選択があります。商標登録を取るのであれば、個性的な名前でないと取れないので、ネーミングの工夫が必要です。そして先行商標がないかを事前に特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」などで調べるか、知り合いの弁理士に任せるなどし、権利化するのであれば、商標出願まで済ませてきちんと権利化しましょう。もしコストも掛けられないし、ブランド化の予定もないので商標登録をしないという選択をする場合は、一般名称を使いましょう。

ー弁理士様が実際に経験された、知的財産保護のケーススタディとアドバイスについて教えてください。

中国で商標登録を取られてしまったという相談を受けたことがありました。なので、中国や海外で将来的に事業展開をする予定があるのであれば、防衛的にも早めに商標出願をしましょうとアドバイスをしています。日本国内での事例ですと、VTuberの方から、昔から活動している自分のVTuber名を大手の企業に商標登録されてしまったという相談がありました。活動は細々と行っていたので、「先に使っていた」+「ある程度、日本で有名」でないと無効審判で勝つことは難しく、泣き寝入りという形になりました。こういったリスクを防止するためにもやはり早めの商標登録しておくことが肝心です。

【その他知的財産保護についてのインタビュー】

⠀知的財産保護の重要性

現代のデジタル時代において、知的財産保護がどれほど重要であると考えられていますか?

昔はインターネットなどが発達しておらず、取引先の範囲が狭かったですが、現代はインターネットが普及したことによって取引が活発になっている印象があります。そしてチャンネルの拡大により、取引先が増えたことによって知的財産の重要性が高まりました。SNSの時代だからそこ、知的財産保護をカバーするべきだと思います。

⠀企業の知的財産保護への悩み

今までにクライアントから知的財産に関するどんな悩みを聞かれましたか?

「こんな製品を作ったが、どのように保護すればいいのか?」
「知的財産を保護したいが、これは知財のなかの意匠なのか、商標なのか?」
というような、知財の中の何の権利で保護すればいいのかという、根本的な質問が多いです。
大きな企業などは知的財産保護に関する知識を持っているところが多いですが、顧客には個人事業主の方も多いので、よくわからないという方が多いですね。

⠀IP保護戦略の最新動向

現在、日本国内で注目されているIP保護戦略の最新動向について、どのような傾向が見られますか?

商標の世界だといま熱いのはメタバース空間での商標の保護方法ですね。例えばナイキがメタバースの中で靴を販売するなら、どのように商標を保護するかというのが、ホットなテーマになっています。各社、電子プログラムで権利を取っているが、それが果たして正しいのかが今議論されています。

⠀特許取得と秘匿化

敢えて特許を取得せず、技術をノウハウ化する企業も多いですが、特許を取得するかしないかはどのように判断すればいいのでしょうか?

特許を取得して独占するのか、秘匿化するかどうかは、企業戦略や、コスト面、秘密にしておける体制が整っているかなどかを総合的に判断します。

⠀中小企業の知財活用

中小企業やスタートアップ企業が陥りやすいIP関連のミスとその対策
知的財産を活用するための具体的な戦略や支援策についてどう考えていますか?

特に中小企業やスタートアップ企業は事業が忙しいので、知財に能力を割くことが難しいと思います。そこでよくあるのは、事業が軌道に乗って落ち着いてから商標登録を取得しようとして、調べてみたらもう先行商標があった。という風に既に取られていたという事例です。

その中で特によくあるのが「社名」です。ある程度軌道に乗ったから社名を出願したいということで商標登録に申請をいただきましたが、もう既に取られていたというケースです。そういう場合には相手方と交渉したり、お金を払ってどうにかしたりなどします。

このような事態を回避するために、製品やサービスをリリースする前から知財のことを考えたり、商標登録制度があることを認識し、対応することが重要だと思います。

⠀法的課題と対策

知的財産保護における法的課題とその対策について、どのような点が重要であると考えますか?

ある程度機能しているとは思いますが、「活用」している事例が少ないことですかね。商標権侵害や権利侵害などの紛争があまり起きていない印象です。商標登録を取って終わりではなく、お金をかけて権利を取っているので、もう少し権利を生かしていいと思います。

⠀知的財産保護の現状

どのような企業や個人がまだ知的財産保護への関心や対策ができていないと考えていますか?

中小企業やスタートアップは知財部がなかったり、個人事業主の方はそもそも商標制度すら知らない場合が多いです。

⠀AIと知的財産

AI技術が進化する中で、知的財産保護にどのような影響が考えられますか?その対策についてどう考えていますか?

特許や商標の審査に利用することを特許庁は考えていると思います。弁理士の意見書などもAIである程度草案は作成できるところがあるので、どんどん活用されていくべきだと思います。その反面、AIは人間ではないので、その判断に正確性が欠ける部分は課題です。やはり人間が介在してチェックする必要はあると思います。

⠀国際的な知財保護

国際的な知的財産保護の動向について、どのような傾向が見られますか?日本企業にとっての影響についてどう考えていますか?

商標登録の件数は特に中国が多いです。中国の方々は商標登録に熱心なので、件数自体は日本の何十倍にもなります。中国の人が日本で出願したり、アメリカで出願する場合もあります。その中には、日本で有名ないいものを見つけて、それを中国で商標登録してしまったりする国際的な問題もあります。

⠀知財保護の課題

現在、日本国内で知的財産保護に最も大きな課題として何が挙げられると考えますか?その解決策についてどう考えていますか?

商標登録制度そもそもを知らない人が多いということは課題だと思います。知財に対する意識や認知度を高めていく必要があると思います。

⠀将来の展望

知的財産保護や法改正の将来的な展望について、どのような変化が予想されると考えますか?その準備としてどのようなステップが必要だと考えますか?

商標の世界は、どんどん範囲が広がっていて、最近は「色彩」や「動き」も商標で保護できるようになりました。隣の国、韓国では「におい」も商標の保護対象になっています。店舗の外観、例えばコメダ珈琲やアップルストアの外観なども商標の保護対象に含めようと議論されています。なので今後も特許や商標の対象範囲は広がっていくのではないかと思っています。

⠀知財教育の必要性

企業内での知財教育の必要性についてどう考えていますか?具体的な教育内容や方法について教えてください。

知財部の方はかなり情報を持っているのですが、実際に現場で動いている営業の方などは知識がなかったりするので、社内的な知財教育が必要だと思います。年に1,2回私のような弁理士が企業に訪れて、そもそも商標とはなにか、商標登録制度などを知財教育することも有効なのかなと思います。実際に知財部から営業部向けの教育を依頼されて私も教育を行いました。

⠀知財保護の技術的側面

知的財産保護において、タイムスタンプはどのように活用できると考えますか?その利点や課題についてどう考えていますか?

タイムスタンプを付与することで、証拠保全や日にちが確定しますが、特に商標の世界だと日にちが大切なので、昔からやっていることを立証する時にタイムスタンプは便利だと考えています。

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知財担当者の最近の悩み… 特許にならないノウハウ技術情報をどう守るか

「自社が先に作った」と主張しても、
「いつ作ったのか」「誰が作成したのか」を客観的に証明できなければ、
法的に“後発扱い”され、先使用権の主張すら退けられる可能性があります。
つまり、ノウハウの本当のリスクは流出ではなく“証明できないこと”にあるのです。

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消される前に、残す。 Web上の商標侵害に“証拠力”を持たせるタイムスタンプ活用法とは?

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──今のネット社会では「証拠を残す」ことが何よりも大事になってきています。
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「出願しない技術」を守るという選択肢 ~タイムスタンプ付きメールで“知財戦略の穴”を埋める方法~

知的財産権制度(特許・意匠・実用新案など)は、技術的アイデアを明確な権利として保護する強力な制度です。しかし、現実にはすべての技術が出願・登録に適しているわけではありません。特許を取得することで技術内容が公開されてしまうため、あえて出願を避けるという判断も、知財戦略として広く行われています。

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