
記事執筆:藤沼寛夫
藤沼会計事務所代表 / アカウントエージェント株式会社代表取締役。 公認会計士・税理士として、資金調達支援・ファクタリング支援・会計監査・会計税務コンサルティングサービスを提供しています。 【保有資格】公認会計士、税理士
なぜ、タイムスタンプが必要なのか
現行の電子帳簿保存法では、確定申告のために必要となる各種帳簿・書類について、電子データで保存することが求められています。
電子データには「誰が」「いつ」作成した書類なのか、明らかにする必要がありますが、悪意をもって電子データの日付などを改ざんされるおそれがあります。
そこで、誰がいつ作成した書類なのか、改ざんさせない仕組みとして「タイムスタンプ」が必要になります。
「stiiタイムスタンプ電子帳簿保存法マネージャー」をつかってみて、良いと感じたポイント
stiiを実際に使ってみて、良いと感じたポイントは次の点です。
・UIが分かりやすく操作が簡単
・タイムスタンプのスピードが早い
・ファイル管理にも使える
■UIが分かりやすく操作が簡単
とにかく操作が簡単です。スタンプを発行したいファイルを選択し実行するだけで、タイムスタンプの付与が完了します。
操作方法も直感的であり、説明書を読まずにタイムスタンプを付与することができました。
一般的なソフトウェアを使ったことのある方であれば、インストール後すぐに使いこなせるはずです。
また、フォルダごとまとめてタイムスタンプを発行することができるため、手間がかかりません。
当然、ファイルに変更をするとその履歴が残るため、タイムスタンプが解除されタイムスタンプの再発行が必要になります。
各ファイルにタイムスタンプが付与されているか否かは、「stiiタイムスタンプ付与マネージャー」でファイル一覧を確認することですぐに分かります。このため、タイムスタンプの付与漏れを容易に防止することができます。
■タイムスタンプ付与のスピードが早い
「stiiタイムスタンプ電帳法マネージャー」を使うと、約30秒でタイムスタンプを付与することができます。
要求されるPCのスペックもさほど高い水準ではないため、ノートPCで使用しても動作が非常に軽いです。
■ファイル管理にも使える
「stiiタイムスタンプ電帳法マネージャー」はファイルのタイムスタンプ付与日・有効期限・ハッシュタグをCSV形式で一覧出力することができます。そのため、単なるタイムスタンプ付与ソフトとして使うだけでなく、必要なファイルを管理するための機能としても役立ちます。
経理事務においては、「前年と同様の書類を入手できているか」といった視点も大切ですが、この機能を使えば、毎年の各フォルダにあるファイルを一覧して比較することができるため、必要書類の入手漏れや依頼漏れに気付くことができるでしょう。
タイムスタンプソフトを選ぶ際の注意点
タイムスタンプソフトを選ぶ際は、次の点に注意すべきです。
・セキュリティ対策が万全か
・対応しているファイルの種類
・料金
・既存の会計ソフトに付属していないか確認する
・タイムスタンプ付与にどのくらいの手間がかかるか
・タイムスタンプに必要な機能
・認定タイムスタンプか
■セキュリティ対策が万全か
タイムスタンプソフト・電子帳簿保存法対応ソフトは、契約書など企業の機密文書を扱うソフトウェアです。ソフトのセキュリティが脆弱であった場合、機密書類が外部へ漏洩する危険性があります。
万が一漏洩してしまった場合、自社の信用力低下のみならず、取引先からの損害賠償請求を受ける恐れあります。
そのため、信頼できるソフトを選ぶべきです。
■対応しているファイルの種類
タイムスタンプソフトを選ぶ際は、どのようなファイル形式・拡張子に対応しているかも確認すべきです。
タイムスタンプを付与するファイル形式は、「pdf」「xlsx」などが一般的であると思いますが、中には企業特有の拡張子・ファイル形式もあるでしょう。
そのような種類のファイルにも対応するため、できる限り多くの種類に対応したタイムスタンプソフトを利用すべきです。
なお、電子帳簿保存法では保存する電子データのファイル形式に指定がないため、どのような種類のファイルであっても電子保存が認められます。
■料金
タイムスタンプソフト・電子帳簿保存法対応ソフトは、月額制であることが一般的です。
これは、不定期で行われる法改正に対してタイムリーに対応する必要があるからです。
この点、当該ソフトは購入後もずっと使い続けることが前提ですから、契約時の月額費用が毎月発生します。
ひと月分の月額が安かったとしても、それが毎年12ヶ月分発生し続けることを念頭に、購入の可否を検討しましょう。
また、月極サービスの中には初期費用がかかるケースもあるため、料金プランをしっかりと確認すべきです。
■既存の会計ソフトに付属していないか確認する
タイムスタンプサービスは、会計ソフトに付属している(または追加購入する形の)ケースがあります。
そのような場合、タイムスタンプ用のソフトウェアを別途購入するよりも、会計ソフトに付属しているソフトウェアを利用(または購入)したほうが使いやすいケースもあります。
タイムスタンプのサービスの購入を検討する際は、まず既存の会計ソフトウェアに機能が付いていないか確認しておくと良いでしょう。
■タイムスタンプ付与にどのくらいの手間がかかるか
タイムスタンプを付与するサービスは色々ありますが、どのくらいの手間がかかるのかを事前に確認しましょう。
サービスによっては、ファイル1つずつにしかタイムスタンプを付与することができないケースや、タイムスタンプを付与するまでに非常に時間がかかるケースがあります。
タイムスタンプを導入する企業では、電子データの数量も膨大であると思われますから、一度にまとめてタイムスタンプを付与できるサービスを選ぶと良いでしょう。
stiiであれば無料トライアルが利用できるため、購入前に、必ず操作感を確かめておくことをお勧めします。
なお、タイムスタンプをまとめて付与することは認められています。(国税庁|電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】)
■タイムスタンプに必要な機能
タイムスタンプは単に日付が付与できれば良いわけではなく、付与後に一括して検証できる機能がなければなりません。
そのため、付与後に一括して検証ができないタイムスタンプを購入しないよう注意しましょう。
なお、国税庁|電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】には次のように明確に「一括検証」が義務付けられています。
“電子帳簿保存法では、各税法で原則として紙での保存が義務づけられている帳簿書類について一定の要件を満たした上で、電子データによる保存を可能とすること、および電子取引情報の保存義務等が定められています。 使用するタイムスタンプは、規則第2条第6項第2号ロに規定する以下の要件を満たすものに限ります。
① 当該記録事項が変更されていないことについて、当該国税関係書類の保存期間を通じ、当該業務を行う者に対して確認する方法その他の方法により確認することができること。
② 課税期間中の任意の期間を指定し、当該期間内に付したタイムスタンプについて、一括して検証することができること。”
■認定タイムスタンプか
電子帳簿保存法では、「認定タイムスタンプ」の使用のみが認められています。
そのため、利用予定のタイムスタンプサービス(=電子データに係る情報にタイムスタンプを付与する役務を提供する業務)が、認定タイムスタンプか否か確認する必要があります。
なお、認定タイムスタンプは総務省が認定を行っており、認定を受けているサービスは総務省ホームページにて確認することができます。



