お役立ち情報

「出願しない技術」を守るという選択肢 ~タイムスタンプ付きメールで“知財戦略の穴”を埋める方法~

目次

1. 技術のすべてが「特許」で守れるわけではない

知的財産権制度(特許・意匠・実用新案など)は、技術的アイデアを明確な権利として保護する強力な制度です。しかし、現実にはすべての技術が出願・登録に適しているわけではありません。特許を取得することで技術内容が公開されてしまうため、あえて出願を避けるという判断も、知財戦略として広く行われています。

以下のような情報は、出願に不向き、または非公開での管理が有利とされる典型例です

  • 製造工程や原料配合などのノウハウ

  • 顧客管理や業務プロセスの改善に関する独自手法

  • 技術的に未完成な研究メモや実験ノート

  • 競合に知られたくない初期アイデアや方向性(出願により公知化されるリスク)

こうした情報は、いわゆる「営業秘密」や「未公開知財資産」として企業内で保持されるべきものですが、特許のように形式的な権利があるわけではないため、後から「自社が先に持っていた」と証明することが困難というリスクが常につきまといます。

2. ノウハウ流出・盗用・トラブルのリスク

出願しない技術やノウハウがトラブルの火種となる典型的な事例は以下のとおりです

  • 共同研究・開発プロジェクトにおいて成果の出所を巡る対立が発生

  • メールでアイデアを送信後、相手が自社より先に製品化した

  • 退職した元社員が技術やノウハウを他社に流用した疑い

  • 提案した内容が、取引先に断りなく利用・模倣されていた

こうした場面で自社の立場を守るためには、「自社が先に情報を保有していた」という証拠の提示が極めて重要となります。

3. 「いつ・誰が・どのような技術を持っていたか」を証明する重要性

出願制度によって日付と内容が公的に記録される特許と異なり、未出願の情報については自衛的な証拠保全が必要不可欠です。具体的には

  • 先使用権の主張(第三者が出願した場合に対抗するため)

  • 盗用や流出疑惑への対応(内部統制・法的トラブル対策)

  • 成果帰属の明確化(共同研究・外注・パートナーとの関係整理)

このような知財管理の根拠づくりには、「その情報が存在していた日時」と「その内容が改ざんされていないこと」を第三者的に証明できる手段が求められます。

4. 秘匿と開示、その“タイミング”をどう制御するか

特許出願は、出願日から1年半以内に内容が原則公開されます。これにより、企業内の技術情報が競合や市場に広く知られることになります。だからこそ、「公開しない」という選択もまた、戦略的知財管理の一手として重要視されています。

  • 公開リスクを避けたい重要情報 → 出願せず社内秘管理

  • 情報の存在は証明したい → タイムスタンプや証拠記録を活用

「出願しない=守れない」ではなく、「出願しないなら別の形で守る」ことが求められるのです。

5. メールの送信履歴は“証拠”になるか?

技術情報のやり取りには、メールが今でも多く使われています。しかし、メールの送信履歴が法的な証拠として有効かというと、実はそうとは限りません。

通常のメール履歴の限界

  • メールは後から改ざん可能

  • 送信ログは社内管理で第三者性がない

  • 証拠力として裁判で不十分と判断されるリスク

つまり、日常的に交わされるメールの履歴を「証拠」として活用するには、改ざん不能な時刻証明第三者の認定が必要となります。

Google広告 スタンプサービス 1200x628 5 stii タイムスタンプサービス

6. 「stii タイムスタンプメールサービス」とは?

こうした問題を解決するのが、「stii タイムスタンプメールサービス」です。
このサービスは、メールにタイムスタンプを付与したい電子データを添付し、Stii宛に送信すると、
返信でタイムスタンプを受け取れる仕組みを提供します。

サービスの特長

メールにファイルを添付するだけで総務省認定のタイムスタンプを自動付与
Gmail、Outlook、Thunderbird、Apple Mail、iPhoneメールなど全主要メーラーに対応
PDF変換の手間なし多様な添付ファイル形式に対応
改ざんの有無を検証可能。長期保全にも対応
クラウド不要、オンプレミスでも利用可能。情報漏洩リスクを回避

使い方(例)

  1. メール作成時、TOまたはCCに「stamp@stii.com」を追加

  2. タイムスタンプを付与したい電子ファイルを添付し送信

  3. 送信後、送信者・受信者の両方に「stiiタイムスタンプ証明書」が届く

  4. 証明書上で、送信内容・日時・ファイルの真正性をいつでも確認可能

7. 実際の利用事例:株式会社Aster様の導入例

塗るだけで耐震性能を高める特殊素材を開発し、海外展開も進めている株式会社Aster様(従業員数:4名)では、「技術の存在証明」と「特許や知財対策」の一環として、2023年にstii タイムスタンプサービスを導入されました。

「社外に出さず社内のみで共有したい情報があり、それが“当社が先に持っていた”という証明のために使っています」

導入の決め手は、「証明書の発行がスピーディ」「導入から使用までが非常にスムーズ」という点。
特許出願前の検討資料や、大企業との議論に備えたバックグラウンドの証拠として活用されており、

「一つの安心材料になっている」
と実感されているとのことです。

🔗 導入事例ページはこちら

 

8. 法的有効性と証拠力

  • 総務省認定のタイムスタンプ機関による第三者性ある証明

  • 電子帳簿保存法や電子契約制度にも準拠

  • 民事訴訟において「改ざんされていないデータの存在証明」として高い証拠力を発揮

9. stii タイムスタンプメールサービスの知財戦略活用例

スクリーンショット 2025 07 10 155701 stii タイムスタンプサービス

10. stii タイムスタンプメールサービスの導入メリット

スクリーンショット 2025 07 10 155747 stii タイムスタンプサービス

11. どんな企業・機関におすすめ?

  • 出願しないノウハウや営業秘密を扱う製造業・IT企業・研究機関

  • 提案書や技術文書を頻繁に送信する士業事務所・コンサル企業

  • 社外との情報共有で履歴や証拠が残らず不安な中小企業

  • 知財リスクを最小限に抑えたいが、コストや運用負担は抑えたい企業

12.stii メールサービス vs 知的財産マネージャー、どちらが自社に適している?

ここまで紹介してきた「stii タイムスタンプメールサービス」は、社外への提案書・技術資料の送信時に“その時点で存在していた”ことを証明するツールとして非常に有効です。

一方で、社外に出すことのない社内技術情報や研究データについては、より包括的な管理と自動的な証拠保全が求められます。こうしたニーズに応えるのが、stii タイムスタンプ知的財産マネージャーです。

▷ 利用目的による使い分け

スクリーンショット 2025 07 10 155910 stii タイムスタンプサービス

13. まずは無料トライアルで体験

現在、「stii タイムスタンプメールサービス」はタイムスタンプが5回の無料のキャンペーンご提供中です。
▶ Stiiアカウントを発行するとタイムスタンプを無料でお試しできます:https://app.stii.com/login

まとめ

出願しない技術や未公開ノウハウを守るためには、存在証明・改ざん防止・開示履歴の記録が不可欠です。
「stii タイムスタンプメールサービス」は、こうした情報保全を簡単・低コスト・高証拠力で実現する新たな選択肢です。
出願による知財保護だけでなく、出願しない戦略の裏付けとしても、タイムスタンプの活用は企業にとって今後ますます重要となるでしょう。
知財を「守れるうちに守る」体制づくりを、今こそ始めてみませんか?

有益な情報をいち早く受け取ろう! 👋

月1回、厳選した知財&DX情報を無料配信中

知的財産保護

「その発明、証明できますか?」AI時代、技術流出・権利紛争から守る、“存在証明”という知財防衛の第一歩

知財係争や技術流出リスクの高まりにより、企業は「いつ、誰が、どのような内容で発明したか」を第三者に示せる証拠を備えることが不可欠になっています。
つまり、これからの知財戦略には「存在証明」の仕組みこそが、基盤として必要とされています。

もっと見る »
知的財産保護

大学の知財紛争を未然に防ぐタイムスタンプ

「その文書が、いつ作成されたのかを証明できますか?」この問いは、デジタル環境が進む中でますます重要になっています。現在、企業の主要な業務はほとんどが電子化されており、文書は高速かつ繰り返し生成・共有されるようになりました。

もっと見る »
知的財産保護

「その研究ノート、本当に“証拠”になりますか?」〜先使用権を守るタイムスタンプの活用法〜

有名企業が実際に直面した知財に関する失敗事例を取り上げ、その背景と結果を分析し、それらの事例から導き出される教訓を通じて、「知財リテラシー」とは何か、なぜ企業にとって不可欠なのかを解説します。

もっと見る »
知的財産保護

社内アイデアの権利は誰のもの?従業員と知財の関係

「その文書が、いつ作成されたのかを証明できますか?」この問いは、デジタル環境が進む中でますます重要になっています。現在、企業の主要な業務はほとんどが電子化されており、文書は高速かつ繰り返し生成・共有されるようになりました。

もっと見る »
知的財産保護

デジタル時代の新常識:部門別タイムスタンプ運用ガイド

「その文書が、いつ作成されたのかを証明できますか?」この問いは、デジタル環境が進む中でますます重要になっています。現在、企業の主要な業務はほとんどが電子化されており、文書は高速かつ繰り返し生成・共有されるようになりました。

もっと見る »
知的財産保護

AI時代の知財戦略とこれからの制度設計

弁理士 木本大介 ピクシーダストテクノロジーズ株式会社 知財・法務・広報グループ グループ長 2003年、上智大学大学院電気電子工学専攻修了後、株式会社リコーに入社。知的財産部で、複写機を中心とした電気・機械分野の権利化業務に従事。2006年 弁理士登録、特許事務所にて電気・ソフトウェア分野を中心に

もっと見る »

stii タイムスタンプサービスに関して

ご不明な点はございませんか?

 Stii カスタマーサービス

月曜~金曜 10:00-17:00

(祝日を除く)